第8回眼科臨床機器研究会
日時:2007年10月27日(土) 15:30~18:30
会場:パシフィコ横浜 アネックスホール
合同開催:The IRSJ 2007
日眼専門医事業認定番号:12745
主催 眼科臨床機器研究会
共催 日本眼科医療機器協会
会長 庄司 信行(北里大)
第8回眼科臨床機器研究会
日時:2007年10月27日(土) 15:30~18:30
会場:パシフィコ横浜 アネックスホール
合同開催:The IRSJ 2007
日眼専門医事業認定番号:12745
主催 眼科臨床機器研究会
共催 日本眼科医療機器協会
会長 庄司 信行(北里大)
プログラム
1)OCTの角膜・屈折矯正手術への応用
モデレーター/神谷 和孝(北里大)
・Visante(TM)OCT の特徴とその簡便な操作方法
欂松 綾子(カールツァイスメディテック㈱)
・Visante(TM)OCTの後房型有水晶体眼内レンズへの応用
中村 友昭(名古屋アイクリニック)
・Visante(TM)OCT の角膜疾患への応用 中西 基(北里大)
2)OCTの緑内障診療への応用 モデレーター/森田 哲也(北里大)
・3D-OCTによる緑内障評価 板谷 正紀(京都大)
・前眼部OCTを用いた濾過胞の評価 鈴木 宏昌(社会保険相模野病院)
・光干渉断層計OCT3000による網膜神経線維層厚の評価
片井 麻貴(札幌逓信病院)
3)医療機関等における医療機器の立会いに関する基準
モデレーター/庄司 信行(北里大)
澤井 一彦(医療機器業公正取引協議会「立会い推進委員会」委員)
1)OCTの角膜・屈折矯正手術への応用
モデレーター/神谷 和孝(北里大)
近年バイオエンジニアリング分野の発展は目覚ましく,
◆ VisanteTM OCTの特徴とその簡便な操作方法
講演者:榑松 綾子(カールツァイスメディテック㈱)
2004年 カールツァイスメディテック株式会社入社
IOLマスターTM 、VisanteTM OCTアプリケーション
今日、光干渉断層計OCT(optical coherence tomography)は黄斑疾患をはじめ、後眼部疾患の診断や治療効果判定に広く用いられています。近年、OCTの前眼部への応用が注目されており、1310nmという従来よりも長波長の光源を用いたVisanteTMOCTが国内でも本年4月、弊社より発売されました。
VisanteTMOCTは従来のOCTに比べ組織深達度が高く、前眼部の詳細な生体情報が取得でき、細隙灯顕微鏡では直接観察のできない深部まで断層像が得られます。応用領域は多岐にわたり、角膜疾患、LASIK後の角膜断層像、角膜移植分野のみならず、隅角、濾過胞、虹彩、水晶体など前眼部の断層像を非接触で取得し、また任意の長さを計測することができます。
操作は非常に簡便で、なおかつ短時間で高解像度の画像を取得できるところが最大の特長です。今回、お時間を頂き、VisanteTMOCTの特徴と操作性について述べさせて頂きます。
◆ VisanteTM OCT の後房型有水晶体眼内レンズへの応用
講演者:中村 友昭(名古屋アイクリニック)
1988年 宮崎医科大学医学部卒業。
社会保険中京病院研修医を経て
1995年 社会保険中京病院
1998年 同
1999年1月 LASIKを開始。
2001年4月 リフラクティブアイクリニック開設。
2006年1月 名古屋アイクリニックへ名称変更
Carl Zeiss Meditec社のVisanteTM OCTは屈折矯正手術に際しとても有用な前眼部測定装置である。非接触で検者の技量に左右されず再現性の高いデータを短時間に測定が可能である。また、画像データの定量化も容易に行えるのが特徴である。この特徴を生かし、我々はVisanteTM OCTを、とくに後房型有水晶体眼内レンズICLTM(Staar surgical社)の術前、術後の検査に用い、大変有益かつ興味深いデータを得ている。今回、それらを供覧し、今後さらにどのように利用し、また発展していくかについても述べてみたい。
◆ Visante™ OCTの角膜疾患への応用
講演者:中西 基(北里大)
1997年 北里大学医学部卒業
2004年 北里大学大学院医療系研究科博士課程修了
2004年 国際医療福祉大学附属熱海病院講師 (
2006年 北里大学医学部
光干渉断層計(optical coherence tomography : OCT)は時間領域OCT(time domain OCT : TD-OCT)として開発が開始され、1991年マサチュ-セッツ工科大学(MIT)のFujimotoらによって初めて実用化された。1996年にはCarl Zeiss Meditec社により製品化され、黄斑疾患や緑内障において多くの新しい情報を提供してくれた。前眼部測定も可能であったが、その描出力は超音波生体顕微鏡(ultra biomicroscopy : UBM)に遠く及ばないものであった。そこで光源波長の変更や、高速化により最適化がなされ製品化されたのがVisante™ OCTである。軸方向解像度18mの精細な前眼部画像をわずか0.125秒で取得できる。本講演では角膜疾患に焦点を当て、その有用性について報告する。
2)OCTの緑内障診療への応用
モデレーター/森田 哲也(北里大)
OCTは光の干渉現象を用い網膜断層画像を抽出する検査機器として、網膜および黄斑疾患等で臨床応用されています。緑内障領域では、網膜神経線維層厚の定量化や視神経乳頭の立体構造解析をすることで、早期緑内障の診断装置としてのみならず緑内障の経過観察においても有用な機器です。近年様々な改良が加えられたOCTでは、角膜組織等の前眼部領域でも臨床応用され、濾過胞の内部形態が観察できるようになり線維柱帯切除術後の詳細な経過観察が可能となりました。OCTは緑内障診断や経過観察に必要不可欠な機器の一つとなってきており、新しい概念のOCTも現在開発されつつあることから、今後さらなる臨床応用を期待したいところです。そこで今回3人の先生方に、緑内障領域におけるOCTの有用性と今後の展望について御講演頂きたいと思います。
◆ 3D-OCTによる緑内障評価
講演者:板谷 正紀(京都大)
1990年 京都大学医学部卒業
1996年 京都大学大学院医学研究科修了
1996年 京都大学保健診療所・助手
1997年 南カルフォルニア大学ドヘニー眼研究所留学
2000年 神戸市立中央市民病院・副医長
2003年 京都大学医学部附属病院
2005年京都大学医学研究科
SD-OCTの高速撮影は、3Dスキャンにより眼底の形態情報を緻密に取得することを可能とした(3D-OCT)。例えば、6 mm正方に65,536個のスキャン点上に厚みの数値が乗っており、各スキャン点はお互いに空間的位置関係を有する。3D-OCTは、これまでできなかったさまざまな形態解析を可能にする。しかし、その膨大な情報を扱うことは簡単ではなく、そのポテンシャルは生かしきれていない。3D-OCTのポテンシャルの一つは、視野に対応する部位の平均厚を算出できることである。ハンフリー10-2の刺激によって反応する網膜神経節細胞の存在部位の網膜平均厚を表示するソフトウエアを開発したので紹介する。また、3D-OCTにより描出される篩状板の厚みとハンフリー30-2のMD値との関係を調べたので報告する。2つの例を提示することで、3D-OCTの形態解析のポテンシャルを臨床にどう生かしていくかの議論を開始したい。操作は非常に簡便で、なおかつ短時間で 高解像度の画像を取得できるところが最大の特長です。今回、お時間を頂き、VisanteTMOCTの特徴と操作性について述べさせて頂きます。
◆ 前眼部OCTを用いた濾過胞の評価
講演者:鈴木 宏昌(社会保険相模野病院)
1999年 藤田保健衛生大学医学部 卒業
北里大学病院眼科入局
2000年 北里研究所メディカルセンター病院眼科勤務
2000年 武蔵野赤十字病院眼科勤務
2007年 北里大学大学院医療系研究科修了
社会保険相模野病院眼科勤務
過去に線維柱帯切除術後の濾過胞形状の評価は、細隙灯による表面からの観察に頼るしかなかった。近年、前眼部の断層像を捉えることができる超音波生体顕微鏡(UBM)が開発され、詳細な前眼部断層像を得ることが可能となった。しかし、UBMは接触型の機械であり検査も煩雑さが要求されることから、簡便に前眼部画像が得られる診断機器が待たれていた。一方、光断層干渉計(OCT)が開発されてからは、被験者に負担を与えることなく詳細な画像を得ることが可能となった。
中でもVisanteTMOCT(ZEISS社)は前眼部専用OCTであり、手術直後から迅速かつ非接触、無侵襲に濾過胞断層像を得ることが可能となった。また、我々の施設では従来のOCTとは異なり、新方式を用いた前眼部OCTを開発した。今回、これらの前眼部OCTを用いて緑内障術後の濾過胞評価を行い、その有用性を検討したので報告する。
◆ 光干渉断層計OCT3000による網膜神経線維層厚の評価
講演者:片井 麻貴(札幌逓信病院)
1995年 札幌医科大学医学部卒業
1996年 札幌医科大学医学部
1997年 函館五稜郭病院
2001年 市立岩見沢総合病院
2006年 札幌医科大学医学部
2007年 札幌医科大学医学部
札幌逓信病院
早期に緑内障性視神経障害を検出できる可能性が高く、かつ他覚的検査である眼底検査において、検者間の判定のばらつきを少なくし診断の客観性を高める目的で種々の眼底画像解析装置が開発されてきた。その一つに、OCTがあり様々な改良が行われている。OCT3000(OCT3; Zeiss-Humphrey, Dublin, CA)の従来機種と大きく異なる点は、測定可能最小瞳孔径が3.2mmで無散瞳測定が可能であること、またスキャンシステムの変更により短時間での測定が可能となったこと、そして緑内障診断プログラムが内蔵されたこと等があげられる。緑内障の病期判定、早期診断において、網膜神経線維層(Retinal Nerve Fiber Layer:RNFL)厚の定量計測は有用と考えられる。そこで、OCT3を用いて視神経乳頭周囲のRNFL厚を測定し、緑内障診療への応用につき検討した。
3)医療機関等における医療機器の立会いに関する基準
モデレーター/庄司 信行(北里大)
我々
今回、こうした立会いの問題を公正取引協議会の方に丁寧に説明して頂き、我々の認識を改める機会としたい。会場からの質問も随時受け付けたいと考えている。
講演者:澤井 一彦
(医療機器業公正取引協議会「立会い推進委員会」委員)
医療機器業界では、公正取引委員会の認定の下、平成11年4月1日から、医療機器業界における景品類の提供の制限に関する公正競争規約を施行し、業界の正常な慣習の確立に努めてまいりました。
この度、当業界の永年の懸案事項で有った「いわゆる立会い」と称して医療機器事業者が医療機関に対して行ってきた情報提供や便益労務の提供について基準を策定しました。
すでに昨年の秋に全国病院様宛に(20床以上を有する医療機関及び手術を行っている
この度「立会い基準」規約について説明の機会を頂きましたので講演では平成20年4月1日から実施に先立ち、規約内容の詳細を御紹介させていただきます、尚、本基準の業界への周知徹底には医療機関等の皆様のご理解とご協力が不可欠で御座います、何卒ご理解の程宜しくお願い申し上げます。
展示機器のご紹介 1) 機器名称 2) 測定方式 3) 販売店